空に向かって自由にのびのびと育つこの雑木の庭を眺めていると、清々しい気持ちなれると、施主様。

あまりきちっと整って剪定された木や植裁は息苦しくなるから好きではないとおっしゃり、

庭紀が得意とする人工的ではなく自然な雰囲気の植裁が施主様の好みと合いました。

玄関前まで車をいれ、荷物を家の中に運ぶ際に楽にしたいというご要望で、

玄関前に駐車もできるように幅の広いアプローチを作りました。

ここは、雑木のナチュラルな雰囲気を壊さぬよう、コンクリートなどではなく、柔らかい色の御影石のピンコロを並べて作っています。ピンコロを並べることで、表面が平たんな土間よりも雨が降った時に滑りにくく排水もよくなるため、雨天時に歩く時も安心です。

広いお庭なので、日当たりがよく、日差しの強い真夏は視覚的に暑苦しくなりがちですが、

芝生や、地面に映る枝葉の影や葉擦れの音が清涼感を生み出します。

落葉樹を多く植えているため、どんよりしがちな冬場は葉が落ち明るい庭になります。

玄関前スペースは、木をまっすぐに植えるのではなく、一部駐車スペースの中心に傾けて植えることで、木陰を増やしたり、無機的にならぬよう駐車スペースの空間を飾っています。

この庭が完成したあとも、施主様は、庭の一部で植物を挿し木で増やしたり、庭の樹が実らせたどんぐりの実生を大きく生長させようと挑戦するなど、庭で栽培を楽しんでおられます。ただ眺めるだけの庭でなく、そこで楽しみが生まれる庭となっていることがとてもうれしいです。

どんぐりの実生がぐんぐん大きくなりますように…。